絶賛公開中の「劇場版銀魂 THE FINAL」を観て、久しぶりに銀魂熱が再燃してしまい、そろそろ映画館のスタッフに顔を覚えられているのではないかと戦々恐々する日々を送っているのですが、先日(汚い大人の策略に嵌って登録した)dTVで「劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ」を見返したところ、公開後に原作で展開されたストーリーと同じようなエピソードが散りばめられていたのでは?と思い、いそいそと(数年前に作るだけ作ってた)ブログを書いてみました。
まず「劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ」(以下「完結篇」と記載)は、2013年に原作者・空知英秋先生の書下ろしネームを元に作成された、アニメ銀魂の劇場版第二弾となります。
この劇場版のために書き下ろされたオリジナルストーリーであるものの、原作の世界観を崩すことなく、むしろ原作の一部とも言える展開や演出が素晴らしい作品です。
※割とアニメオリジナルの劇場版って、原作の話の流れを無視せざるえないことが多い印象なんですけど、銀魂制作陣は本当に上手くやってんなぁと思います。
そんな完結篇ですが、前述しましたように、公開後の原作エピソードと酷似しているなと感じた点がいくつかありましたので、ご紹介していきたいと思います。
ここから先は(今作含む)映画及び原作のネタバレを含みますので、ご注意ください。
1.真選組と桂一派が手を組み、互いの大将を救い出すシーン
映画では序盤の方に描かれているシーンですが、はい、「さらば真選組篇」と同じ構図です。
完結篇を初めて観た時は、かつて敵対していた者たちが手を組むなんてベタだな、まぁお約束だよなって感じでしたが、幕府に捕らわれた大将を救わんと協力し合う構図は「さらば真選組篇」を彷彿とさせます。
公開当時、原作はちょうど50巻が出たばかりでしたので、今後の伏線ともいえるシーンだったとも言えるかもしれません。
2.師(銀時)を救えずに失った5年後の新八と神楽
完結篇での5年後の新八と神楽は、銀時の異変に気付けず、失ってしまったことがきっかけで仲違いしていましたが、これは将軍暗殺篇やさらば真選組で詳細が語られた吉田松陽を救えずに失ってしまった銀時、高杉、桂の過去と現在に似ています。
仲違いした2人を銀さんはどんな気持ちで見ていたのでしょうか。過去の自分と重ねたのだろうかと思うと夜しか眠れません。
3.万事屋の再結成
物語中盤で魘魅(えんみ)を探し、倒すために銀時(珍宝)、新八、神楽で万事屋を再結成します。原作においても、後に万事屋は一度バラバラになり、2年の時を経て再集結しています。そして、どちらも定春がなんだかんだ銀時を慕っていることが万事屋再結成のきっかけの一つになってくれています。(金魂篇でもそうでしたが、定春の存在って万事屋にとってすごく重要ですよね)
また前項を踏まえると、松下村塾の弟子3人(銀時、高杉、桂)の再集結にも重ねることが出来ます。
4.ターミナルでの決闘
ターミナルで銀時と魘魅となった5年後の銀時が戦うシーン。
このシーンを深読みするとまぁ似た要素がちらほら詰め込まれていて、
①敵はかつての師(仲間)である
②前項のように、仲間だった3人が再集結してターミナルへ向かう
③銀時 vs 取り憑かれてしまった仲間という構図
④「てめぇ(俺)をやれるのは俺しかいない」
とこのように、随所に原作のストーリーと似たようなシチュエーションが散りばめられています。
以上の4点がざっくり原作のストーリーと似通っている点だと考えています。
多分、他にも細かいところの類似点はあるんだろうけど、ぶっちゃけ原作とネーム本を読み返すのに疲れました。
もともと完結篇はアニメ銀魂のラストという触れ込みで公開された映画です。
そのことを踏まえると、アニメで銀魂を描くのは最後だからと、当時まだふわっと空知先生の頭の中だけにあった今後のストーリーを、それとなく詰め込んでおいたのではないのかなと思うのです。
(たしか今作の副音声内のアンケートで)どなたかがおっしゃっていたのですが、 これまでの劇場版3作を「新訳紅桜篇で銀魂の今を描き、完結篇でアニメ銀魂のラストを描き、THE FINALで原作のラストを描いています」と表現した意味がより深く胸に響きます。
完結篇で本当にアニメ銀魂が一旦完結したんだなと、数年越しに改めて実感したとともに、もし上記の類似点が空知先生の思惑通りだったとしたら、本当にあのゴリラすごいな。こんなところにも伏線を張っていたのかと。
※まぁ、結局しれっとアニメ再開しましたが。
また余談ですが、完結篇の好きなシーンの1つがエンディングでPrayが流れるところでして。
最後にもう一度会おうと余韻を残して本編は終わりますが、そのまま主題歌の現状ディストラクションともにスタッフロールが続くかと思いきや、途中からPray(と過去のアニメのシーン)を流すことで「あぁ、万事屋の3人がまたちゃんと出会えたんだな」と瞬時に悟らせる、そんな演出をエンディングでやってくれる作品って出会おうと思ってもなかなか出会えないものです。
一応、ネームの段階で過去の映像を流すことは決まっていたみたいですが、だとしてもあの演出はお見事としか言いようがないし、まぁ公開当時は映画館でボロ泣きしました。
今作のTHE FINALもそうですが、アニメ銀魂はOP・EDの演出がすこぶる上手いなぁと思います。(130話『猫好きと犬好きは相容れない』のEDなんか初めてアニメでガチ泣きした)
余すことなく銀魂を表現するその姿勢が、このご時世にも関わらず、完結篇を超える勢いで興行収入を伸ばしていっているのではないかなと。あと、(私も含めて)みんな大人になった。使えるお金に余裕が出来た。時の流れが怖い。
それでは、ここまで読んでくださりありがとうございます。
気が向いたら、是非、完結篇を改めて見返してみてください。